aiko(ディレクター)

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【トラベルライター・LOVETABI Mama編集部】主なテーマ :子連れ旅、カフェ

こんにちは、aikoです。

 

ずっと訪れてみたいと思っていた星野リゾートの温泉旅館「界 由布院」。

 

大分県の由布岳を望む静かな立地にあり、一度見たら忘れられない棚田の風景に心震える滞在が叶う温泉旅館です。

 

1泊2日、ゆっくりと滞在した旅のレポートをお届けします。

 

 

棚田の風景が広がる星野リゾートの温泉旅館「界 由布院」

 

温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る、大分県。そんな大分県の中でも、別府温泉、天ヶ瀬温泉と並んで三大温泉と呼ばれる「由布院温泉」に位置する「界 由布院」。

 

「豊後富士」と称される由布岳を望む静かな立地で、由布院の原風景のひとつである棚田が四季折々に色づく景色を楽しめる温泉宿です。

 

 

このお宿の主役となるのは、「美しい棚田のランドスケープ」。客室、温泉、ロビーなど至る所からこの美しい棚田を感じられるような配置になっています。

 

「界 由布院」のデザインコンセプトは、田園風景の四季を感じる風格のある「上質な農家風の奥座敷」。日本を代表する建築家、隈研吾さんが設計を手がけています。

 

施設に到着すると、出迎えてくれるのは、丸竹の連なる圧倒的な外壁。

 

大分県は、マダケの生産量が日本一であり、施設内では、このように竹を使用した伝統工芸品も多く見られます。

「上質な農家」を表現した「界 由布院」での滞在

棚田を囲むようにデザインされた「界 由布院」では、大自然の中にたたずむ「上質な農家」をキーワードに、農家の空間構成である「たたき(土間)」「板間」「座敷」が表現されています。

 

建物を入ってすぐにあるのが、農家の玄関をイメージして作られたフロントロビー。

 

 

その先には、「板間」の空間であるトラベルライブラリーが続きます。

竹のフローリングと、野山に飛び交う蝶をイメージした印象的な照明。フロントロビーの重厚な雰囲気と対比し、温かい自然のぬくもりを感じる空間です。

 

 

旅行や由布院にまつわる本が置かれ、コーヒーやお茶をお供にゆったりと時を過ごせます。

 

トラベルライブラリーの奥に広がるのは、「座敷」の空間をイメージした「棚田テラス」。宿の中心にある棚田を一望できる施設随一の特等席です。

 

 

棚田テラスから眺める風景はとても美しく、ずっとそこで時を過ごしたくなるほど。座椅子に座ってぼーっとしていると日頃の喧騒を忘れ、心が洗われるようです。

 

 

昼間はもちろん、夕暮れ時、朝。時間ごとに表情を変える棚田の風景は忘れられない景色として心に刻まれました。

 

地域の特徴をいかした「界 由布院」のご当地部屋「蛍かごの間」

(出典:界 由布院)

「界 由布院」にある全45室、6タイプの客室はすべてが地域の特徴をいかしたご当地部屋「蛍かごの間」。

 

客室の名前にもなっている「蛍かご」は、本来、麦わらをはじめとする素材で出来たかごに蛍を飼い、簡易的な照明として使用されるもの。螺旋状の形が特徴です。

 

 

灯りは由布院の清らかな水辺に生息する蛍をイメージ。日暮れとともに、点灯させるとあたかも籠の中に蛍が生きているかのように淡い光が点滅し、夜のお部屋時間を彩ります。

 

また、マダケを使用したヘッドボードやソファなどでも大分の伝統工芸を感じられる客室です。

 

 

くぬぎ離れ(露天風呂付き)

 

くぬぎ離れ(露天風呂付き)は、くぬぎ林の中に佇む、2室しかない離れ客室。

客室に入ると、廊下の美しいピクチャーウィンドウが出迎えてくれます。

 

 

リビングの大きく取られた窓から望むのは一面のくぬぎ林。そして室内に敷かれた畳には、国東半島で栽培されている希少な七島藺(しちとうい)が使われ、心安らぐ優しい香りに包まれます。

 

 

客室の外には離れ専用の湯小屋が設置。湯船の外にはデッキチェアも置かれ、自分たちだけの温泉を時間を気にすることなくゆったりと過ごせる贅沢な客室です。

 

 

和室

 

1番客室数が多い「和室」。ピクチャーウィンドウからは四季によって移り変わる棚田の景色を楽しめます。

 

露天風呂付き和室

(出典:界 由布院)

 

今回滞在したのが、「露天風呂付き和室」。くぬぎ林を望む客室の外ある露天風呂で、心地よい風を感じながら、好きな時間に湯浴みを楽しめます。

 

 

「界 由布院」のお部屋菓子は、「摘み草せんべい」。やさしい甘みの薄焼きせんべいに、由布院で採れた季節の草花が焼き込まれています。

 

「界」オリジナルのホットコーヒーなどの飲み物と一緒にほっとしたひと時を。

 

 

各客室に置かれた作務衣や浴衣は、館内どこでも着用できます。到着したらまずは胸元にロゴマークの入った作務衣に着替えて「界」ならではのくつろぎの時間を。

 

 

由布岳を望む「界 由布院」の温泉

 

全国有数の湧出量と源泉数を誇る由布院温泉は、化粧品成分にも使われるメタけい酸を豊富に含むやわらかな泉質。無色透明、低刺激な温泉で優しく心身を癒してくれます。

 

開放的な露天風呂では、豊後富士と呼ばれる由布岳を眼前に望む絶好のロケーションでの湯浴みを堪能。

 

 

心地よい風も吹き抜け、四季を感じながらゆっくりと心身を休めることができます。

 

内風呂には、「あつ湯(源泉かけ流し)」と「ぬる湯」の2つの浴槽。内風呂からも窓越しに由布岳の景色が広がります。

 

 

温泉に浸かったあとは、棚田を一望する湯上がり処へ。

 

ドリンクやアイスキャンディーのサービスがあります。お部屋に戻る前にゆったりと身体を休めるのもいいですね。

 

野山の恵みをいただく「界 由布院」の会席料理

(出典:界 由布院)

 

「界 由布院」の夕食は、プライベート感を保てる半個室の食事処にて。

 

今回は、この地ならではの山の恵みを感じるジビエを使った特別会席「山のももんじ鍋会席」をいただきました。

 

(出典:界 由布院)

 

会席のはじめに提供される先付けは、その地域で親しまれている素材を使いながらも意外性のある組み合わせや新たな調理法で楽しめる一品。

 

ここ由布院の先付は、名産の猪肉と椎茸を合わせたパテを最中で挟んだ「猪と椎茸の最中パテ」です。

 

 

同じく大分県名産の「かぼす」のドレッシングのクレソンサラダが添えられ、濃厚なパテと合わせてさっぱりと。

 

 

先付の後に煮物椀が提供され、見た目も美しい「宝楽盛り」へと続きます。

 

八寸、お造り、酢の物が盛り付けされた「宝楽盛り」。竹の生産量が1位の大分県らしく、竹をモチーフにした器に盛り付けられてきます。

 

 

4種類の新鮮なお造りの取り合わせは、九州ならではの少し甘いお醤油につけて。酢の物は「河豚皮と鶏皮のポン酢ジュレ」、横には見た目もかわらしい色とりどりの八寸が並びます。

 

 

宝楽盛りの後に、揚げ物がつづき、メインは自然の恵みをいただく「山のももんじ鍋」。
ももんじとはジビエのことで、猪、鹿、穴熊、牛の4種のお肉をスッポンのスープにくぐらせていただきます。

 

(出典:界 由布院)

 

穴熊は幻と言われている希少なお肉、美味しい木の実などしか食べないグルメな動物と言われ、甘い脂身が特徴です。

 

 

猪には木の実のたれ、鹿は太白ごま油とフルーツ甘煮、穴熊はかぼすおろし、牛は黄身醤油。それぞれのお肉を1番美味しくいただけるように料理長が考案した4種類のつけだれと合わせて。

 

お食事の最後には「姫島ひじきと紫蘇の実土鍋ご飯」が出てきました。

 

 

そして〆のデザートは、「界 由布院特性 やっこめのミルク煮 麦茶のゼリー」。

 

「やっこめ」は、玄米をかまどで焙煎したもので「焼き米」が訛ってそう呼ばれています。そのやっこめをミルクで煮たものの上にミルクのアイスクリームと生姜とレモンの蜜煮、ポン菓子を添えて。

 

 

これだけでも色々な味や食感が組み合わさってとても美味しいのですが、なんと上から麦茶のゼリーをかけていただきます。

 

 

さっぱりとしてほんのり甘い麦茶のゼリーをやっこめのアイスにかけて食べると双方が引き立て合い、驚くほどのおいしさでした。

和食と洋食から選べる「界 由布院」の朝食

 

「界 由布院」の朝食は、和食と洋食から選べます。洋食が提供されるのは、全国の「界」の中でも唯一。

カウンター席からは朝の幻想的な雰囲気の棚田を眺めながらのお食事を楽しめます。

 

洋食は、ベイクドエッグやポーチドエッグ、5種類の焼きたてパンやヨーグルトなど。ベーコンやソーセージは自分で炭火焼きでいただきます。

(出典:界 由布院)

 

和食には、大分名物の椎茸をはじめとした野菜の炭火焼きや、焼き魚のほか、ご飯のお供にぴったりなおかずの数々。

 

(出典:界 由布院)

 

炊き立てご飯と、大分名物のだんご汁がついて大分のご当地名物を存分にいただけます。

 

食後には手作りのヨーグルトと、大分県日田市で作られている小鹿田焼(おんたやき)のマグカップでいただくコーヒーを。

 

 

滞在を彩る「界 由布院」のご当地楽とその他イベント

ご当地楽

 

その土地の文化を体験する「界」のご当地楽。ここ由布院では、農閑期に行われる手仕事「わら綯(な)い」でお守り作りが開催れます。

 

藁を両手でより合わせて縄を作るのはなかなか難しい作業ですが、スタッフの方に教えていただきなから段々とコツを掴み、なんとか形になりました。

 

「わら綯(な)い」は、手を合わせて行うことから「祈りのかたち」を表すそうです。とても縁起のいいもの。

 

思いを込めて作った縄に、自分好みの色の稲穂や水引の飾りをつけて完成です。

 

 

ご当地楽
開催時間: 16:00 / 16:30 / 17:00/ 9:00/ 9:30/ 10:00
料金:無料

温泉いろは

 

温泉につかる前に参加したいのが、フロントロビーで開催される「温泉いろは」。

温泉の効果的な入浴方法や泉質などのほか、由布院温泉の歴史を紙芝居でわかりやすく教えてくれます。あらすじもとても面白く、夢中になって聞き入ってしまいました。

 

温泉いろは
開催時間:現地にてご確認ください
料金:無料

 

棚田体操

(出典:界 由布院)

 

毎朝開催される「棚田体操」。朝の清々しい空気の中、自然を感じる朝霧テラスで身体を目覚めさせる体操です。

 

ストレッチが中心なので、運動が苦手な人も安心して参加してみてください。澄んだ空気をたくさん取り込み、身体を伸ばすと、普段どれだけ身体が縮こまっていたのかということを実感できると思います。

 

棚田体操
開催時間:7:00〜
料金:無料

「界 由布院」で棚田の風景に心震える旅を

 

写真で見て、ずっと訪れてみたかった「界 由布院」。実際に自分の目で見た棚田の風景は忘れることができない思い出となりました。

 

これぞ日本の原風景。今回訪れたのは、冬でしたが、また夏の鮮やかな緑に輝く季節にも足を運んでみたいと思います。

 

「界 由布院」で棚田の風景に心震える旅はいかがでしょうか。

 

界 由布院
所在地:大分県由布市湯布院町川上398
アクセス
JR由布院駅より タクシーで約10分
大分空港から車で約60分
TEL:050-3134-8092(界予約センター)
料金:1泊38,000円~(2名1室利用時1名あたり、税サ・夕朝食付き)
 
取材協力:大分県/界 由布院



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