世界遺産の街、中国・泉州。
海のシルクロードの始点であり海上交易の中心地として、多様な文化が共生してきました。
日本人にはまだまだ知られていませんが、中国国内のSNSではとても人気のあるフォトジェニックな古都。
上海から飛行機で1時間半で行けるため、合わせて巡るのにピッタリです。
まるで古い映画の中に入り込んでしまったかのようなオレンジの煉瓦の連なる街並みを散策しながら、多文化の中で育まれてきた絶品グルメを堪能。
海のシルクロードのロマンをたっぷり味わえる、2泊3日の女子旅モデルコースをご紹介します!
目次
- 1 旅の前に:中国旅行の便利Tips
- 2 前日:上海の空港隣接ホテル「ヒルトン上海虹橋国際空港」に前泊
- 3 1日目①飛行機で泉州へ
- 4 1日目②「ヒルトン泉州リバーサイド」へチェックイン
- 5 1日目③古都の面影を色濃く残す「西街」を散策
- 6 1日目④泉州の象徴!「開元寺」でお参り
- 7 1日目⑤「清浄寺」(モスク)で多文化を体感
- 8 1日目⑥「ヒルトン泉州リバーサイド」でディナー
- 9 2日目① フォトジェニックな海に浮かぶお寺「洛伽寺」
- 10 2日目② 漁港に現れるスタイリッシュカフェ「LOCAL FISH Cafe」
- 11 2日目③「刺桐棋院」で福建料理のランチ
- 12 2日目④「泉州海外交通史博物館」で歴史を感じお土産も購入
- 13 2日目⑤五店市伝統街区を散策
- 14 2日目⑥邸宅レストラン「臨家閩南菜」でディナー
- 15 3日目:最後にホテルの朝食ビュッフェで地元名物を
- 16 ビザ不要の今がチャンス!心躍る泉州の旅を!
旅の前に:中国旅行の便利Tips
中国旅行では、普段使っているアプリがそのまま使えないこともあり、少しハードルが高く感じている人もいるのではないでしょうか。
でも大丈夫です!今回初めて中国を旅した私も、難なく一人で街を散策したり、空港まで高速鉄道に乗って帰国しました。
事前にアプリやeSIMを準備しておけば、なんの不便もありません。
出発前に準備しておくと安心なものをまとめました。
①eSIM
中国では基本的にはSNSやLINE、そしてGoogle MapsなどのGoogle系のアプリは使えません。
ただしeSIMによっては国内と同じようにそれらのアプリが通常通り使えるので、対応のeSIMを入れるのをおすすめします。
②AliPayまたはWeChat Pay
中国は非常に電子マネー化が進んでいます。お店によっては現金が使えない場所も。
クレジットカードだけでなく、AliPayかWeChat Payのどちらかはスマホに入れて、クレジットカードの登録まで済ませておくのをおすすめします。
③DiDi
タクシー配車アプリは「DiDi」が使われています。
使い方はGrabやUberと同じで、目的地を選び、金額をみてドライバーを選択。料金は日本より、安く気軽に活用できます。
泉州には地下鉄等はないため、車での移動が基本。では、DiDiを駆使して早速巡っていきましょう!
前日:上海の空港隣接ホテル「ヒルトン上海虹橋国際空港」に前泊
日本から泉州への直行便はないので、東アジアの都市で乗り継ぎして向かいます。
せっかくなので、上海観光と合わせて巡るのがおすすめです。
上海には2つ空港がありますが、上海から泉州への便は多くが上海虹橋国際空港発。
市内中心部から空港へは1時間ほどかかるため、上海での観光を楽しんだ後は、搭乗前日に空港直結のホテルに移動しておきましょう。
ヒルトン上海虹橋国際空港なら、第1ターミナル直結。
なんと空港へはチェックアウト後、徒歩30秒〜1分で到着でき非常に便利です!
2025年に誕生したこのホテルは、航空をテーマにした近未来的なデザインが印象的。
どこか宇宙船をも思わせるクールな空間に、おもわず心が躍ります。
「キングデラックスルーム エアポートビュー」のお部屋からは、 飛行機が離発着する様子が間近にみられます。
ダイニングも見逃せません。
中国料理レストラン「Chinese Restaurant」では、伝統とモダンを融合させた空間で、本格的かつ洗練された料理を堪能できます。
ホテルの方も太鼓判を押す逸品揃いなので、ディナーはぜひここで。
さらに圧巻なのが、屋上の温水インフィニティプール。
眼下には滑走路が広がり、プールに浸かりながら飛行機を一望できるという非日常の贅沢が待っています。
泉州への移動のためだけに泊まるのはもったいないほどの充実度。
ぜひホテル自体の滞在も楽しんでみてください。
所在地:上海市長寧区雲沙路188号
1日目①飛行機で泉州へ
朝はヒルトン上海虹橋国際空港のAll Day Diningで朝食ビュッフェを。
お部屋でくつろいだり、ラウンジでコーヒーを飲んだりしながら、出発時間ギリギリまでホテルでゆったりと過ごせます。
上海から泉州までは、飛行機で約1時間45分で到着。
ランチは機内食で頂きます。
なお、今年の6月より中国国内線ではモバイルバッテリーの規制が厳しくなっており、3Cマークのついたものしか持ち込めなくなりました。
日本国内で売られているほとんどのモバイルバッテリーには3Cマークがついていませんので、ご注意を!
1日目②「ヒルトン泉州リバーサイド」へチェックイン
泉州での旅の拠点となるホテルが、「ヒルトン泉州リバーサイド」。
泉州晋江国際空港から車でわずか20分ほどと、アクセスも抜群です。
目の前には穏やかに流れる晋江、その向こうには現代的なビル群と歴史ある街並みが広がり、新旧の泉州を一度に感じられるロケーション。
ヒルトンならではの安心感とホスピタリティの中で、多文化が育んだ至福の美食を味わいながら泉州の伝統文化を五感で感じる滞在が叶います。
ロビーラウンジはとてもフォトジェニックなので、ついつい写真を撮りたくなりますが、まずは荷物をおいて市内観光へ出かけましょう!
「ヒルトン泉州リバーサイド」についてはこちらの記事も参照ください。
所在地:福建省泉州市晋江市滨江路 999号
1日目③古都の面影を色濃く残す「西街」を散策
「西街(シージエ)」は、宋・元時代から続く古都の面影を色濃く残す歴史街区。
2021年にユネスコ世界遺産に登録された「泉州:宋元中国の世界的海洋商業都市」の構成資産のひとつです。
赤レンガ造りの古民家や石畳の路地が続き、歩くだけでまるで古い中国映画のワンシーンに迷い込んだような気分に。
雰囲気たっぷりの街並みは、ちょっとした路地裏の建物までフォトジェニックです。
通り沿いには、泉州名物のB級グルメやかわいいお土産を売っている小さなお店がずらりと並びます。
ぜひ食べ歩きしながら散策しましょう。
泉州の特産品の油柑を使ったドリンクは、ほんのり苦味を感じるさっぱりとした柑橘系の飲み物で、暑い夏の散策のお供にぴったり。
一際目を引くのが、あちこちにある「簪花囲」と呼ばれる泉州伝統の花簪を体験させてくれるお店。
花簪と伝統衣装に身を包んで、西街や開元寺を散策するのが人気です!
旅の思い出に、ぜひ体験してみてください。
さらに中国のSNSで人気なのが、通り沿いのカフェなどのルーフトップから、オレンジの屋根の街並みと開元寺と共に撮影すること。たくさんのフォトジェニックな写真がSNSに上がっています。
そのような写真の取れるカフェはいくつかあるようなのですが、穴場なのが観光案内所。
こちらの屋上は無料で開放されていて、観光情報も手に入るのでおすすめです。
1日目④泉州の象徴!「開元寺」でお参り
西街にある、686年に建立された福建省最大の仏教寺院、開元寺
その2つの石塔は泉州を紹介する際に必ずと言っていいほど使われる、泉州の象徴的な風景です。
唐代に創建されて以来、千年以上にわたりこの街の信仰と文化を見守り続けてきました。
お参りの際は、どちらにいらっしゃるかわからない神様に向かい、東西南北すべての方向に頭を下げるのが習わしです。
伝統的な中国建築が残る約7万8000平方メートルもの境内には、西街のお店で着付けてもらった花簪と伝統衣装に身を包んで撮影をする中国女子たちの姿があちこちに!
こちらも人気のフォトスポットのようです。
とても艶やかで美しい…!
ただし、境内の中は一部撮影禁止の場所があるので、案内にしたがって注意して撮影してくださいね。
開元寺をぐるりと囲む鮮やかな朱色の壁は特にフォトジェニックです!
たっぷりと時間をとって訪れてください。
所在地:福建省泉州市鯉城区西街176号
1日目⑤「清浄寺」(モスク)で多文化を体感
1009年に建てられた清浄寺。寺とありますが、こちらはなんとモスクなんです。
泉州がはるか昔より、海のシルクロードの玄関口としてさまざまな文化や宗教が入り交じり、多様な文化が共生してきた街であることを物語る建物。
奉天壇という古い礼拝所は、天井が崩壊し現在は青空の下に柱が並ぶのみとなっていますが、どこか遺跡のようで神聖な雰囲気。
ただし、毎週金曜日は礼拝日で中に入ることはできないのでご注意を。
すぐ隣には、地元の人が熱心に参拝する「通淮関岳廟」が。
極彩色の彫刻がすばらしい、オレンジ色の瓦屋根の福建建築様式も見ごたえあるので、こちらにも足を伸ばしてみてください。
所在地:福建省泉州市鯉城区塗門街108号
1日目⑥「ヒルトン泉州リバーサイド」でディナー
夜は本格的な閩南料理と広東料理が頂ける「ヒルトン泉州リバーサイド」のレストラン「Gu Xiang Chinese Restaurant」でディナーを。
スープ類はどれも、あっさりとしつつ素材の旨みが凝縮し、感動の美味しさ。
レシピの起源は元朝初期に遡るという「琉璃羽衣鸽」(鳩のロースト)、シェフの看板料理である「松露鲍语会东坡」(黒トリュフと豆腐を添えた鮑のマリネ)など、絶品料理の数々に舌鼓を!
2日目① フォトジェニックな海に浮かぶお寺「洛伽寺」
2日目の午前は、少し遠出をして、郊外の海辺にある洛伽寺へ。
ホテルからは車で1時間ほどで到着します。
宋代に建立された洛伽寺。
海に浮かぶようにそびえる佇まいはまるでお城のよう。
境内からは泉州湾を一望できます。
非常にフォトジェニックなお寺で、敷地内には撮影のカメラマンも多数存在。
境内を知り尽くしたプロに印象的な写真を撮ってもらえるので、思い出作りにぜひどうぞ!
所在地:福建省泉州市石獅市中駿黄金海岸
2日目② 漁港に現れるスタイリッシュカフェ「LOCAL FISH Cafe」
洛伽寺から市内へ戻る途中で、ぜひとも訪れてほしいのが「LOCAL FISH Cafe」。
こんなところにカフェがあるの…?と思わず不安になってしまうようなローカルな漁港の風景の中をドキドキワクワクと進んでいくと、波止場に突如現れるおしゃれカフェ。
むき出しの鉄筋や製氷機など、漁港の要素をそのまま活かしてリノベーションした建物は非常にスタイリッシュです。
青空の下に佇む四角く無機質な建物に、波止場で休む漁港の人々まで風景の一部として溶け込み、とても趣があります。
メニューは、ベーシックなコーヒーから、コーヒーを使ったオリジナルドリンクまで多種多様。
なんと軽食には魚のスナックも!
窓の外では、時折ゆっくりと船が港へ帰ってきます。
長閑な漁港の景色を眺めながら、美味しいコーヒーでホッと一息。
旅の合間にリフレッシュするのにぴったりの場所です。
所在地:福建省石獅市祥芝碼頭碼頭路178号
2日目③「刺桐棋院」で福建料理のランチ
市内に戻り、歴史情緒あふれる建物を活かしたスタイリッシュなレストラン「刺桐棋院」でランチを。
こちらでは地元食材を使った福建料理が頂けます。
海や山の豊かな食材を活かした、あっさり淡白な味付けが特徴。
ハタをそのままの姿で蒸した豪快なメニューから、もっちりトロッとしたタロ芋を甘辛く挙げた、どこか懐かしい料理まで、どれもこれも思い返すとまた食べたくなる絶品料理です。
所在地:福建省泉州市鯉城区蘭橋巷10号
2日目④「泉州海外交通史博物館」で歴史を感じお土産も購入
「泉州海外交通史博物館」は、中国で唯一の海外交流の歴史を専門とする博物館。
地中海方面から、インド洋、アジア海域、中国までを結ぶ海のシルクロードの重要な港として栄えた泉州の歴史を実感できるスポットです。
館内には帆船の模型やシルクロードを通じて運ばれた品々が並び、レプリカとともに貴重な実物も展示。
アラビア文字で書かれた碑文など本物でありながら実際に触れるよう展示されているものもありました!
歩き疲れたら、博物館に併設されている「Yeah Song Café」へ。
泉州のラテアートでホッと一息。
カフェ内では泉州らしい雑貨の販売も。
こちらで、自分用と友人に配るお土産用に小さな器に入った練り香を購入しました。
他にもお菓子やノートなど、かわいいお土産が購入できますよ。
所在地:福建省泉州市豐澤区東湖街425
入場料:無料
営業時間:火~日 9:00~17:00(月曜日定休日)
2日目⑤五店市伝統街区を散策
五店市伝統街区は、明、清、民国時代の福建省南部の赤レンガの建物や石畳の路地が残る歴史地区。
当時のオリジナルの建物が残っており、現在では様々なショップが入った商業エリアになっています。
古い街並みの向こうに現代的なビルが立ち並ぶのは、なんとも不思議な光景です。
歴史的建築を利用したスターバックスなどもあります。
夜になるとライトアップされ、昼間とはまた違った雰囲気に。
2日目⑥邸宅レストラン「臨家閩南菜」でディナー
最終日の夜は、五店市伝統街区内にあるレストランでディナーを。
邸宅を改装したもので、お宅に招かれたような特別感のある雰囲気にとても心躍ります。
こちらでは新鮮な海の幸をもちいた閩南(福建南部)料理を楽しみましょう。
あっさりとした味わいで、素材本来の旨みが引き立ち、食べ始めると延々とお箸の止まらない美味しさです。
所在地:福建省晋江市太保埕巷6号
3日目:最後にホテルの朝食ビュッフェで地元名物を
最後の食事は、ホテルのダイニングレストラン「Kitchencraft」の朝食ビュッフェで。
ヌードルバーでその場で茹でてくれる麺類やお粥など、お腹に優しいメニューが揃うのが嬉しいポイント。
閩南地域の朝食で親しまれる「麵線糊」や、肉ちまき(烧肉粽)など、泉州や福建省の名物も日替わりで登場するので、最後の美食を楽しみましょう。
ビザ不要の今がチャンス!心躍る泉州の旅を!
これにて泉州の旅は終了です。
上海や北京、ソウルや香港などの東アジアの都市で乗り継ぎし、日本へ帰国。
歴史の浪漫が香る泉州の街は、歩くだけで心が躍る場所でした。
海のシルクロードの起点として、古の時代から多様な文化、食材の坩堝であった泉州は、まさに美食都市。
泉州で食べられる様々な中国料理はどれも美味しく、日本人の口にもぴったり。
新鮮な魚介類などを用い、素材の味が楽しめながら全体的にあっさりとしており、コース料理も最後の一口まで美味しく食べられました。
泉州は2021年に世界遺産に登録されたばかりで、中国国内の観光客は多いもののまだまだ海外の観光客が少なく、今のうちが穴場。
見ての通り非常にフォトジェニックな場所が多々ありますが、他の国の観光地と比べると人は少なめで写真も撮りやすく、女子旅にもおすすめです。
今のうちにぜひ、この歴史と美食あふれる街を訪れて、心躍る泉州の魅力を体感してみてください。
取材協力:Hilton