こんにちは、Mugiです。
重厚な洋館のような佇まいに、真紅の絨毯。一歩足を踏み入れた瞬間に時代まで飛び越えてしまったような錯覚におちいるクラシックホテルは、誰しも一度は滞在してみたい憧れの場所でしょう。
実は日本には、”100年近くの歴史をもつ”などの厳しい条件を満たした「日本クラシックホテルの会」加盟ホテルが、9つあるんです。
歴史に裏打ちされた麗しの非日常空間で過ごせば、気分はまるでお嬢様?
そんな夢見心地のステイが味わえるクラシックホテルのうち、東京から行きやすい関東近郊の5つのホテルをご紹介します。
目次
関東近郊のクラシックホテル①現存する日本最古のリゾートホテル『日光金谷ホテル』【栃木】
1873年に開業した『日光金谷ホテル』は、現存する日本最古のリゾートホテル。各館全てが国指定登録有形文化財の指定を受けています。
100年を超えるその歴史の中で、ヘレン・ケラーやアインシュタインなど、そうそうたる顔ぶれの歴史上の偉人が訪れました。
表玄関の木製の重厚な回転扉など、館内には創業当時の面影が今も数多く残っています。
パッと見は洋館のように感じますが、創始者が日光東照宮の楽人であった関係で、よく見るとあちこちに日光東照宮をイメージさせるものがたくさん。
その和と洋の入り混じった荘厳な建築は、独特の風格をたたえています。
『日光金谷ホテル』は、日光東照宮まで徒歩で約15分という好立地。
四季折々の日光の自然の美しさが楽しめ、冬はホテルの中にスケートリンクも登場するんですよ!
100年以上受け継がれてきた西洋料理も、宿泊時のお楽しみの一つ。
初代料理長が考案した看板料理「日光虹鱒のソテー金谷風」や、蔵から見つかった大正時代のレシピ集をもとに再現した「百年ライスカレー」など、食にまつわる名エピソードも事欠きません。
由緒正しいリゾート地で、時を超えて愛されてきた美食を堪能しながら、クラシックなロマン漂うリゾート時間をどうぞ!
住所:栃木県 日光市上鉢石町1300
関東近郊のクラシックホテル②東京駅舎の中に泊まれる『東京ステーションホテル』【東京】
『東京ステーションホテル』は、その名のとおり東京駅舎の中という、とても珍しいロケーションにあるクラシックホテル。
1915年に、国内外の賓客を迎えるためのホテルとして誕生しました。
イギリスのリッチモンド・インターナショナル社が手掛けたヨーロピアンクラシックの内装で彩られた客室は、カテゴリーごとに趣が大きく異なります。
中でも人気は、東京駅のドームレリーフを間近に見られるドームサイドの客室!
まるでヨーロッパの邸宅のような麗しさ。窓のすぐ側にはドームレリーフが迫り、そこから視線をおろすと、改札を行きかう人々が見られます。
この日常と非日常の交差するドラマチックな空間は、文学や映画など数々の作品の舞台となってきました。
『東京ステーションホテル』に泊まったら、外せないのが朝食ビュッフェです。これを目当てに宿泊するという人もいるほどの、人気の朝食。
総料理長自らが素材を選び抜き、提供されるアイテム数は100種類以上も!
この朝食がいただけるのは、9mもの天井から白い朝の光が降り注ぐゲストラウンジ「アトリウム」。
実は東京駅舎の屋根裏にあるんです。
国指定重要文化財の、大正3年創建当時の構造レンガを眺めながら頂くことができますよ。
幸せな旅先の1日の始まりに、ぜひどうぞ!
▽東京ステーションホテルで過ごした至福のステイは、こちらの取材記事をご覧ください▽
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
関東近郊のクラシックホテル③開港当時の横浜の面影を残す『ホテルニューグランド』【神奈川】
関東大震災でがれきの山と化した横浜に、1926年に復興のシンボルとして建てられたのが『ホテルニューグランド』。
本館とタワー館がありますが、クラシックな雰囲気を堪能したいならぜひ本館へ。
こちらの設計は、銀座和光などを設計した渡辺仁氏によるものです。
本館玄関口から続く大階段と、その先の本館2階にあるロビーは圧巻の一言!
この歴史と風格を感じさせる華麗なる佇まいから、様々な映画やドラマのロケ地に選ばれてきました。
3階にはなんと、あのマッカーサー元帥が宿泊した特別なスイートルームがあるんですよ!その名も「マッカーサーズスイート」。当時実際に使われたライティングデスクとイスも大切に残されています。
中庭に面したラウンジ「ラ・テラス」でのアフタヌーンティーは、クラシックなムード満点。
重厚な館内を歩けば、気分はまるでクラシック映画の登場人物。
夢見心地の時間が堪能できるホテルです。
住所:神奈川県横浜市中区山下町10番地
関東近郊のクラシックホテル④箱根のシンボル『富士屋ホテル』【神奈川】
箱根のシンボル的存在である『富士屋ホテル』は、1878年創業。
2020年に、2年もの歳月をかけた大改装を終えリニューアルオープンしたのですが、その際も「新しく建てる方が楽」と言われるほどの手間をかけて古き良きものを残し、ホテルで紡がれた100年を超える物語を受け継ぎました。
ホテルにはいくつかの棟があり、そのほとんどが登録有形文化財。
洋館のような雰囲気を堪能したいなら、本館か西洋館がおすすめです。
中でもこげ茶の重厚な調度品と深紅の絨毯が印象的な本館は、歴史に裏打ちされたドラマティックな雰囲気たっぷり。
大階段をのぼった先にある窓辺のソファー席は、お嬢様気分に浸れるおすすめのフォトスポットです。
富士屋ホテルといえば、メインダイニングルームの「ザ・フジヤ」も忘れてはなりません。
日光東照宮をモデルに造られたこのレストランは、大きな窓には簾がかかり、6メートルもある高い天井には絵画の描かれた格天井、柱には彫刻が彫られていて大迫力です!
朝食にはフルサービスブレックファスト、ランチとディナータイムには創業当時のレシピを受け継ぐ洗練フレンチが頂けます。
また、朝食が頂けるもう一つのレストランが、皇室の宮ノ下御用邸として造営された由緒ある純日本建築の建物「旧御用邸 菊華荘」。
人数限定の和朝食は、時が止まったかのような静謐な空間で味わう贅沢なひとときです。
どちらの朝食もとても素敵なので、両方を味わうべく、ぜひ日数をとってゆったりと滞在することをおすすめします。
住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
関東近郊のクラシックホテル⑤軽井沢の森に佇む『万平ホテル』【長野】
『万平ホテル』は1894年創業。言わずと知れた、ジョン・レノンが愛したクラシックホテルです。
”これぞ軽井沢!”というイメージ通りの木漏れ日揺れる小道をサイクリングし、あふれる緑のその先に、アルプスの山小屋のような佇まいのクラシックホテルが見えた瞬間、心がときめくこと間違いなし!
心地よい風の吹き抜けるカフェテラスは非常に人気が高く、お茶の時間に立ち寄る際はかなりの待ち時間をお覚悟を。
ですがどれだけ待ってもその甲斐のある、優雅で心地よい時間の流れる唯一無二の高原テラスです。宿泊すれば、空いている時間に利用しやすいですね。
人気メニューは、アップルパイ。
ジョン・レノンが作り方を教えてくれたというロイヤルミルクティーと一緒にオーダーを。
『万平ホテル』にはいくつかの棟がありますが、中でもアルプス館は、1936年建設当時の姿が残された貴重な客室。
今後耐震工事などでリニューアルしてしまうかもしれないので、今のうちに宿泊しておくことをお勧めします。
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
「日本クラシックホテルの会」のパスポートを持ってクラシックホテル巡りを
「日本クラシックホテルの会」加盟ホテルは、現在日本に9つ。
加盟できるのは、第二次世界大戦以前に建てられ、その建物を維持し、文化財や産業遺産などの認定を受けているなどの厳しい条件を満たした、正真正銘のクラシックホテルのみです。
「日本クラシックホテルの会」では「クラシックホテルパスポート」を発行しており、宿泊ごとに押されるスタンプを一定数集めると、お食事券や宿泊券がもらえるというサービスも行われています。
歴史に裏打ちされた本物のみが醸し出すことのできる、圧倒的な非日常空間で、他では味わえない上質な時間に浸れること間違いなし!
パスポートを手に、麗しのクラシックホテルでタイムトラベルをしてみてはいかがでしょうか?