江戸時代から続く老舗の美食宿「九兵衛旅館」【鶴岡】

庄内地方の美食を巡る旅で、ぜひ泊まりたいのが「九兵衛旅館」。山形県鶴岡市の奥座敷である湯田川温泉に、江戸時代中期に創業し11代続く老舗の旅館です。

文豪たちに愛された宿であり、また、古希のお祝い等のおめでたい席の場所として地元の方に真っ先に選ばれるような宿でもあります。

その時期にしか味わえない旬の恵みで食卓を構成することが、一般家庭に深く根付いている庄内。

その舌の肥えた地元の人々に選ばれていることこそが、美食の宿であることの証でしょう。

客室は僅か13室のみ。その限られた少人数のために丁寧に作られた料理が提供されます。

夕食は、四季折々の海・山・野の幸すべてそろった庄内で、その時々の一番美味しい旬のものを使った贅沢なお膳。

季節の野菜で作る和風ムースは、お宿自慢の一品。

素材はそら豆。まったりとした食感とさっぱりとした豆のうまみが、絶妙な夏の味を醸し出します。

地元の魚を使ったお造りには、ガサ海老が登場。

なかなか獲れない上に鮮度が落ちるのが早く、市場にはあまり出回らない幻のエビなんだそう。

ねっとりとしたこのエビからは、おどろくほど濃厚な旨味が口の中に広がります。

なすそうめんに使われているのは、地野菜のなす。

庄内・鶴岡では、現在確認されているだけで60品種もの在来作物が受け継がれているそう。

少しとろみのある肉厚ななすが、つるりと喉を通る絶品です。

次々と繰り出される、地元の名産を使った一品。

メインはもちろんのこと、添えられた野菜、お出汁、お米に至るまですべてがうなるような美味しさです。

翌朝の朝食も、ずらりと並んだごちそうの数々。

これだけ多いと、残してしまうかも……？

そんな食べる前の心配も何のその、食べるほどに食欲の湧き出る旬の味。

白米のあまりの美味しさに、思わず朝からご飯をおかわりしてしまいました。特別栽培のつや姫だそう。

お米の一粒も残したくない、美食宿です。

目の前で殻をオープン！「道の駅 鳥海 ふらっと」の天然岩ガキ【飽海】

夏の庄内に来たからには、この海の幸を味わわずに帰ることはできません。庄内浜夏の風物詩、天然岩ガキです。

秋田との県境にほど近い遊佐町にある「道の駅 鳥海 ふらっと」の鮮魚直売所では、自分で選んだ牡蠣を、目の前で地元の方が殻を開けてくれ、そのまま生で頂くことができます！

あっという間にできてしまう行列に少し焦りながらも、自分の牡蠣をじっくりと見定め、「これだ！」と感じた ｍy 牡蠣をチョイス。

お金を払ったら奥のカウンターへ持っていき、殻を開けてもらいます。

パカッと空いた殻の下から、ぷっくりと艶を放つ大ぶりの牡蠣が現われました。

味付けはレモンのみ、贅沢に一口でツルッと頂きましょう！

噛んだ瞬間にはじけ口の中に広がる牡蠣。濃厚な磯の香りと共になめらかにとろけだす牡蠣のミルク……。
時がとまる美味しさです。この瞬間、きっとこの旅一番の至福の表情をしていたことでしょう。

天然岩ガキは夏季限定、数量限定なので、出会えたら必ず食べてみてください。

地元の新鮮な旬魚を贅沢に使った日本料理レストラン「庄内ざっこ」【鶴岡】

鶴岡市の街中で、地元庄内浜で揚がった新鮮な旬魚を贅沢に使った日本料理が頂けるのが「庄内ざっこ」です。

一口食べた瞬間、隣の席の人と「美味しい！」と揃って声をあげてしまった、プリプリの弾むような歯ごたえの庄内もずくにはじまり、次々と出てくる地元の海の幸。

さざえの磯煮に、めかぶとほたて。

気取らない雰囲気の中で頂ける逸品の数々に、思わず会話もはずみます。

新鮮なお造り、甘鯛の焼き物には遊佐のアスパラ……。

心躍るお料理が、目にも鮮やかな美しい盛り付けで登場。

次は何が出て来るのだろうとわくわくしながら次の一皿を待つ「庄内ざっこ」での夕食は、きっと旅の楽しい思い出になるに違いありません。

そうなると、欲しくなってくるのが日本酒ですね。

「庄内ざっこ」には地元鶴岡の日本酒も豊富に揃っています。

唎き酒三種の飲み比べをすることもできますよ。

美味しい地酒を片手に、話の尽きない楽しい夜を！

酒田フレンチの名店レストラン「ル・ポットフー」【酒田】

「酒田フレンチ」という言葉が生まれる程、フランス料理の名店が点在する酒田。

酒田・庄内にフランス料理が根付くきっかけとなったお店のひとつが、この「ル・ポットフー」です。

ル・ポットフーという名は、「火にかけた鍋」を意味するフランスの代表的な家庭料理。家庭料理こそが理想の料理だという思いがこめられています。

使う食材は港町酒田で水揚げされる新鮮な魚介類、庄内平野が育てるみずみずしいしい野菜・山菜、仕込みに使うのは鳥海山の伏流水。

その日仕入れたものをその日捌いてつくる、地産地消のこだわりのフランス料理が頂けます。

特にランチのコースは、驚きの充実度。

目で見ても舌で味わっても丁寧に作られたのが感じられる、紅ズワイガニとえだまめのゼリー寄せや、しっかりとした豆の甘さがとても美味しいグリンピースの冷製スープ、そして魚、肉、ハンバーグの中から選べるメイン等。

社会情勢により様々なものの値上げが取り沙汰される昨今で、これだけのお料理がこの値段で頂けるのがとても信じられません。

四季折々の新鮮な食材の宝庫である、食の神様に愛された地 庄内だからこそ可能なことなのでしょう。

満ち足りた思いで食後にコーヒーを飲み終わるころに、何も言わずともおかわりを注ぎに来て頂けるのも嬉しい心遣い。

落ち着いた美しい店内で、心地よい雰囲気の中、庄内がはぐくんだ珠玉の食材をフレンチのメニューに昇華したお皿の数々を頂く。

旅の終わりを締めくくる記念のランチに、おすすめのお店です。

夏の庄内を旅して山と海の旬のグルメを召し上がれ

夏のこの時期だけをみても、とても食べつくせないほどの旬の食材の数々。

”密”とは無縁の美しい自然に抱かれ、大自然に愛されたこの地の恵みを頂く。シンプルで力強い幸せを感じられるこの瞬間に、すっかり庄内の魅力にはまり何度も繰り返し訪れたくなること間違いなしです。

今の時期は優しく揺れる青い稲穂がどこまでも続く庄内平野と、それを守るように連なる山々、まぶしい太陽にきらめく海がおりなす美しい風景が広がっています。

ぜひ自然の恵み溢れる夏の庄内を訪れ、心と体に美味しい旅を味わってください！

#ご当地グルメ

取材協力：庄内空港利用振興協議会

※庄内空港利用振興協議会は、県や庄内地域の市町を中心に構成され、庄内空港の利便性と利用者拡大に向けた活動をしています

※庄内観光の際はこちらもご参考に！→ 庄内観光コンベンション協会「やまがた庄内観光サイト」、日本海きらきら羽越観光圏「DISCOVER UETSU」

Tweet