こんにちは、Kiwakoです。
1,300年の歴史を誇る北陸随一の温泉地である石川県の山代温泉。
そんな山代温泉の地に1624年に創業し、多くの文化人に愛されてきた「白銀屋」の歴史を受け継ぎつつ、新しい感性が息づく加賀伝統の温泉旅館「界 加賀」へ滞在してまいりました。
水引や九谷焼などの加賀の伝統工芸に出会い、美食家・魯山人の思想が生きる料理に舌鼓を打ち、迫力の加賀獅子舞や金継ぎなどの伝統文化に触れられる「界 加賀」の魅力をお伝えします。
目次
伝統とモダンが融合。その土地の魅力とおもてなしを体感できる「界 加賀」
星野リゾートが全国19ヶ所で展開する温泉旅館ブランド「界」。
和の快適さを追求した空間と、その場所その季節でしか体験できないおもてなしが特徴です。
「界 加賀」は石川県の歴史ある温泉地・山代温泉にあり、加賀友禅や加賀水引などの伝統工芸にいたる所で出会える温泉旅館。
美食家・魯山人の思想を受け継ぐ料理には、九谷焼や山中漆器が使われていて、夜は勇壮華麗な加賀獅子舞が登場し、艶やかな舞を披露します。
美食と温泉、そして加賀文化に浸れる滞在を楽しめます。
「界 加賀」へのアクセス
「界 加賀」の最寄駅は、JR西日本 北陸本線の「加賀温泉」駅です。
今回は、「金沢」駅から特急「サンダーバード」で向かい、「加賀温泉」駅までの所要時間は約25分でした。
その他、特急「しらさぎ」でも同じくらいの所要時間で向かうことができ、普通列車に乗車した場合は40分〜50分ほどかかります。
その後、「加賀温泉」駅からはタクシーで10分ほど。
駅にはタクシーがたくさん並んでいるので、乗れないということはありません。
2,000円弱の乗車料金で「界 加賀」まで行くことができます。
「界 加賀」の美しい伝統建築
山代温泉街で私たちを出迎えてくれるのは、一際目を引く「界 加賀」の伝統建築棟。
紅殻格子(べんがらごうし)という朱く塗られた格子が印象的で、国の有形登録文化財にも指定されています。
加賀藩の家紋である梅鉢紋をイメージした梅のモチーフもモダンで、ここ「界 加賀」の雰囲気にピッタリ。
背後に立つ8階の客室棟は、伝統建築の風情に合うようにデザインされています。
「界 加賀」で出会える加賀の伝統工芸
館内に足を踏み入れると、ロビーでは天井から吊り下がる真っ白な加賀水引に出会えます。
雪をテーマにしていて、光を受けて輝く水引はとても上品。
中庭は加賀五彩をイメージしたカラフルな石が散りばめられていて、前庭のグリーンとのコントラストも美しいですね。
中庭に面しては北大路魯山人が寄付した作品を鑑賞できます。
お庭を臨むトラベルライブラリー
中庭を抜けた先には、宿泊客全員が利用できるトラベルライブラリーが広がります。
石川県の歴史、自然、工芸にまつわる書籍などが揃い、中庭と奥の茶庭を眺めながらゆっくりと過ごせる特別な空間。
ドリンクは24時間自由に飲むことができ、コーヒーの他もさくら緑茶、リフレッシュハーブ、グッディハーブが用意されていました。
お茶類は、かわいい九谷焼の入れ物に入っています。
お茶の内容は季節によって変わるので、それぞれの季節を味わえる楽しみがありますね。
チェックイン後、夜までの時間帯には金沢で人気の和菓子店「たろう」の干菓子もお茶請けとして一緒にいただけます。
1点ものに出会えるショップギャラリー
ロビー併設のショップギャラリーでは、「界 加賀」で使用されているオリジナルの焼き物をはじめ、さまざまな作家さんの作品や人気の九谷焼、山中塗、そしてお菓子などを購入できます。
1点もののアイテムはここでしか出会えないかも!?
お土産にも自分用にも購入したくなるアイテムが揃っています。
伝統工芸で彩られた「界 加賀」の客室「加賀伝統工芸の間」
「界 加賀」の全48室の客室は、随所に加賀の伝統工芸が散りばめられた「加賀伝統工芸の間」です。
客室前では、九谷焼で作られた表札で私たちをお出迎え。
一部屋一部屋違うデザインで、加賀五彩の美しさを感じさせてくれます。
客室は畳になっていて、ベッドスペースとリビングスペースに分かれています。
ベッドは全部屋ローベッドで、注目は落ち着いた色味と精緻な絵柄が特徴の加賀友禅が描かれたパネルです。
(出典:界 加賀)
雪吊りなど、石川県ならではの絵柄に心が惹かれます。
ベッドライナーにも加賀友禅が取り入れられ、優雅な時間を演出。
(出典:界 加賀)
ベッドスペースとリビングスペースを仕切るふすまには、さりげなく加賀水引が施されています。
お部屋にちょこんと飾ってある水引のお飾りも素敵でした。
九谷焼で用意された茶器セット
客室で用意されている茶器セットは九谷焼。
「界 加賀」オリジナルのモダンな九谷焼の茶器でお茶をいただきながら、温泉前のひと時をゆっくりと過ごせます。
かわいい風呂敷に包まれたアメニティ
アメニティは「界 加賀」オリジナルの風呂敷に包まれています。
こちらの風呂敷は「界」それぞれの施設で違う柄のものをいただけるので、集めるのも楽しみですね。
温泉に行くとき、貴重品だけ持って館内を歩くときにも大活躍です。
アメニティは歯ブラシ、ヘアブラシ、ヘアゴム、綿棒とコットンです。
ミニマムながら必ず使う必要アイテムが揃っているのが嬉しいですね。
そして、館内着には作務衣を着用できます。
「界 加賀」にいる間はこの作務衣を着ていられるので、よりリラックスして過ごせます。
友人同士の旅行でも、おそろいを満喫できるので館内は作務衣がおすすめです♡
その他、パウダールームには「界」オリジナルのクレンジング、洗顔ソープ、化粧水、乳液、ボディーローションが揃います。
温泉露天風呂付き客室
(出典:界加賀)
今回は宿泊していないのですが、全48室のうち18室の客室には温泉露天風呂がついています。
テラスでゆっくりと時間を気にせず温泉に入れるのは、温泉露天風呂付き客室の特権です。
「界 加賀」で伝統文化を体験するアクティビティ
「界 加賀」では、アクティビティを通じて伝統文化を体験できます。
今回は、金継ぎアクセサリー作りと、伝統ある茶室での独服を体験しました。
金継ぎアクセサリー作り(〜2022年11月6日(日))
「金継ぎ」とは、欠けたり割れたりした器の破損部分に漆を塗って接着し、金粉で装飾して仕上げる修復技術のこと。
割れた器をまた修復して使用するという、ものを大事にする心によって生まれた技法でもあります。
日本の伝統技法ですが、とりわけ九谷焼が有名な石川県では、金継ぎされている器をよく見かけます。
「界 加賀」でも、スタッフの方が200を超える館内の器を金継ぎで修復されているそう!
その経験を生かし、宿泊客に金継ぎに触れる体験を提供してくれています。
こちらはどなたでも参加できるので、友人と一緒に参加しました!
女子旅で一緒にアクティビティを楽しめるのは嬉しいですね。
金継ぎアクセサリー作りで作れるのは、ピアス・イヤリング、髪飾り、箸置きのどれかひとつ。
私は、箸置きを選びました。
まずは、九谷焼のかけらを選びます。
かけらによって形や色、そして見える絵柄も違うので、時間をかけて真剣にチョイス。
そして、かけらとかけらの接地部分に漆を塗って、接着していきます。
漆が乾かないうちに、金粉をまぶしていきます。
かけらとかけらの接地部分だけではなく、かけらの周りにも漆を塗って金粉をまぶすとさらに豪華な仕上がりに。
乾かす時間が必要なので、出来上がりの箸置きはチェックアウト時に受け取ります。
思った以上に本格的な仕上がりに感動!
器としては販売できなくなったかけらたちが、このように修復されて作品になりました。
昔からあるものを大切にしようという心を改められるとても良い経験です。
開催期間:〜2022年11月6日(日)
開催時間:15:00~ / 16:00~ / 17:00~ / 18:00~
対象年齢:どなたでも参加可能
料金:ピアス ・イヤリング 3,000円 / 髪飾り・箸置き 4,000円
定員:毎時最大6名、2組まで
申込:当日15時よりフロントにて受付
お茶を楽しみ自分と向き合う独服体験
トラベルライブラリーの前に広がる緑あふれる茶庭の奥には、伝統建築等と同じく国の登録有形文化財に指定されている茶室があります。
この茶室を1人で貸し切り、加賀棒茶と和菓子を楽しむ独服を体験できます。
独服とは、自分で淹れたお茶を楽しむこと。
茶室という静かな空間で丁寧にお茶を淹れ、自分とじっくり向き合う時間でもあります。
加賀棒茶は浅煎りと深煎りの2種類。
柄杓で釜からお湯をすくい、急須にお湯を注いで待つこと15秒。
浅煎りのお茶には、金沢の和菓子屋「諸江屋」で作られた落雁「花うさぎ」、深煎りのお茶には、山代温泉の和菓子処「しもつね」で作られた「味平かぼちゃ最中」を合わせていただきました。
お茶は浅煎り、深煎りそれぞれ香りとコクが違い、お菓子との相性も抜群です。
お茶を淹れていただく器も九谷焼で、全て金継ぎがされているもの。
金継ぎされた器の美しさにも出会える貴重なひとときです。
日常の忙しさを忘れ、静かな空間で自分と向き合う贅沢で優雅な時間。
ぜひ、心休まる体験をしてみてください。
茶室に向かうまでの緑豊かな茶庭のお散歩もおすすめです。
開催時間:15:00 ~ 18:00 (毎時 00/20/40 分開始)
対象年齢:どなたでも
料金:1,500円
申込:当日15時よりフロントにて受付
温泉いろはで学ぶ「界 加賀」での温泉の楽しみ方
山代温泉は、とろりとした泉質で「美人の湯」とも言われていて、美肌、神経痛、関節痛、冷え性、動脈硬化などに効能があると言われています。
露天風呂付きの大浴場を楽しむ前に、「界 加賀」の湯守りによる、山代温泉の歴史とともに泉質や効果的な入浴法を説明してくれる温泉いろはに参加しました。
場所は湯上がり処。
畳になっていて、リラックスしながら入浴効果が高まるストレッチを一緒に行います。
また、「界」オリジナルの御朱印帳ならぬ「お湯印帳」をいただきました。
「お湯印帳」では、各施設でデザインが違うお湯印と、「界」の各施設の泉質情報をまとめた「泉質スタンプ」を押印していただけます。
各地の「界」をめぐって、さまざまなスタンプをコレクションするのも楽しみの一つになりました。
「界 加賀」の大浴場で「美人の湯」を堪能
「界 加賀」の大浴場は、内風呂と露天風呂があります。
内風呂には、九谷焼のアートパネルが飾られていて、加賀の春夏秋冬が表現されています。
窓ガラスには金沢金箔で白山が描かれ、加賀の文化を感じながら入浴を楽しむことができます。
露天風呂の天井には月を模した照明があり、まるでお月見風呂のよう。
庭園と月を眺めながら、山代温泉の「美人の湯」を堪能できます。
お風呂上がりには、加賀ゆずみつがおすすめ。
甘酸っぱい加賀ゆずみつをお水で割って飲むと、温泉で火照った体もスーッと落ち着いていきます。
大浴場にもアメニティやドライヤーが揃っているので、お風呂上がりのスキンケアなどもゆっくりできます。