AYANA/加藤あやな

AYANA/加藤あやな

【フリーランスのライター/エディター】 主なテーマ:リゾート・夫婦旅・コスパ旅

こんにちは、AYANAです。

 

朝晩は肌寒くなり、秋が近づいてきたのを感じますね。

秋の旅行といえば……京都へ!と、紅葉を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

 

今回はそんな方におすすめの期間限定イベントをご紹介します。

 

京都市右京区花園にある『妙心寺桂春院』では、夜間拝観「幽玄の美に触れる夜の拝観」が開催されます。期間は、2021年10月1日(金)から12月5日(日)までの金土日・祝日。

 

お茶席や笙の演奏、京都吉兆の特製松花堂弁当を楽しみながら、心洗われる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

京都の紅葉の穴場として知られる『妙心寺 桂春院』

妙心寺 桂春院の侘の庭

京都駅からタクシーで約30分または、JR嵯峨野線「花園駅」で下車し徒歩約15分の位置にある『妙心寺 桂春院(みょうしんじ けいしゅんいん)』。

 

千宗旦の弟子で宗旦四天王の1人として名高い藤村庸軒の茶室「既白庵」を持つなど、千利休とのゆかり深い寺院としても知られています。

 

境内の庭園は、小堀遠州の弟子・玉淵坊の作った庭で「清浄の庭」「侘の庭」「思惟の庭」「真如の庭」の4つで構成されており、その苔の美しさから「苔の庭」と呼ばれています。

妙心寺 桂春院の紅葉

時期をずらしながら紅葉するモミジが美しく、紅葉の穴場としても人気です。伺ったのは9月下旬だったので、ほんのり色づく程度でしたが、これからどんどん鮮やかになっていくそうですよ。

『妙心寺 桂春院』の紅葉ライトアップと伝統文化を体験するイベント「幽玄の美に触れる夜の拝観」

妙心寺桂春院のイベント「幽玄の美に触れる夜の拝観」

今回のイベントでは、ライトアップされた境内が初めて一般公開されます。

 

桂離宮の作庭者と推測される玉淵坊作庭の名勝庭園。

ライトアップされた美しい庭園をじっくりと眺めながら「京都吉兆」の特製松花堂弁当を味わいます。

 

他にも長浜城移築の書院でのお茶席や、狩野山雪降で障壁を背景にした笙(しょう)の演奏……と、贅沢すぎる時間が待っています。

妙心寺桂春院の侘の庭

境内のライトアップは、“足す”のではなく“削る”。日本古来の美意識を基礎とし、光量を抑えたメリハリのある照明で、幻想的な空間を作り出しています。

 

妙心寺 桂春院「幽玄の美に触れる夜の拝観」

期間:2021年10月1日(金)〜12月5日(日)のうちの金土日祝
※10月31日(日)、11月20日(土)は休止
時間:①17時〜(食事付)②17時15分〜 ③19時25分〜 ④19時45分〜 
※受付15分前、各回8名(完全予約制)
料金:①のみ23,000円、②③④は12,000円
申し込み先:株式会社京都春秋

 

では早速、イベントで体験させていただいた順にご紹介していきます。

長浜城移築の書院で「お茶席」

妙心寺桂春院の書院

まずは、千利休の系譜に連なる玉淵坊の名勝庭園「侘の庭」に臨むお部屋で、お茶席を体験します。

 

「侘の庭」は、書院前庭より飛び石づたいに既白庵茶室に通じる露地庭です。

妙心寺桂春院の侘の庭

桂春院の豊富な茶道具をお出しいただき、侘茶の歴史を感じるお茶席。なんて贅沢な時間でしょう。

 

お抹茶は「柳桜園茶舗」の雅の白、お菓子は「末富」の生菓子をいただきます。取材時は十五夜だったこともあり、月のうさぎという可愛らしい生菓子でした。

末富の生菓子妙心寺桂春院のお茶席

実は今回はじめて知ったのですが、お茶席では時計やアクセサリーは外すのがマナーなんだそう。大切なお茶のお道具を傷つけないように、事前に外しておいてくださいね。

 

今回のイベントに合わせて特別にかけていただいたお軸は、一休宗純禅師が妙心寺開山堂を訪れた際に記した墨蹟。あの一休さんが書いたとても貴重なものです。

妙心寺桂春院のお軸

他にも、千利休と千宗旦の茶杓を鑑賞させていただくなど、このイベントならではの体験ができました。教科書で学んだ偉人の品をこんなにも近くで見れるなんて……と、感無量。

 

お茶席が終わる頃には、日が落ちて幻想的な空間が広がります。

妙心寺桂春院の侘の庭

火灯窓に木々が映し出されて影絵のように……! 風情を感じますね。

妙心寺桂春院の火打窓

狩野山雪筆障壁画を背景に「笙の演奏」

妙心寺桂春院「幽玄の美に触れる夜の拝観」

お茶席を楽しんだあとは、世界最古の合奏音楽のひとつ、雅楽の楽器「笙」の演奏を聴きます。鳳凰が羽を休めている姿に例え「鳳笙」とも呼ばれ、“天空から射し降ろす光を顕わす”音を奏でるものです。

 

パイプオルガンやアコーディオンのルーツとも言われるその音色は、和音の響きが美しく、聞いているうちに穏やかな気持ちになります。雅楽を生で、しかも寺院の中で聞くことって中々ないですよね。

庭園を望む本堂縁側で「京都吉兆」の特製松花堂弁当に舌鼓

京都吉兆の特製松花堂弁当と紅葉

お茶席と笙の演奏の堪能したあとには、「京都吉兆」の特製松花堂弁当をいただきます。一日4回開催しているイベントのうち、初回(17時〜の回)のみお食事の時間があります。

 

松花堂弁当とは、中に十字形の仕切りがあり、縁の高いかぶせ蓋のある弁当箱を用いた弁当です。仕切りのそれぞれに酢物、八寸、強肴、焚合などを配しています。

京都吉兆の特製松花堂弁当京都吉兆の特製松花堂弁当

それぞれ絶品でしたが、胡麻豆腐(写真左下)のなめらかな舌触りとコクのある味わいに感動しました。

京都吉兆の特製松花堂弁当京都吉兆の特製松花堂弁当

顔を上げた先に広がる美しい光景、自然の音のみが聞こえる静寂……日常を忘れ、心が休まる時間を堪能できました。

妙心寺桂春院「幽玄の美に触れる夜の拝観」

『妙心寺 桂春院』で、秋の京都を堪能してみては

妙心寺桂春院

ほのかに照らし出された境内では、目から入る情報が抑えられ感覚が研ぎ澄まされるような体験ができました。

 

普段忙しく過ごしている人こそ、穏やかな時間を求めに『妙心寺 桂春院』に訪れてみてはいかがでしょうか。夜間拝観「幽玄の美に触れる夜の拝観」は期間限定での開催です。興味のある方は事前予約をお早めに。

 

妙心寺桂春院
住所:京都府京都市右京区花園寺ノ中町11
※イベントに関する問い合わせは075-231-7015(京都春秋)へ

取材協力:株式会社京都春秋
AYANA @Kyoto




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